医療英語クラス実習の巻

ここ2週間医療英語クラスの実習をしていました。開業医の先生のところに通訳オフィスがあるクリニックがあり、そこで通訳の人について見学するって感じなんですが、いろいろと医療制度で面白いところがあります。

・診察室には先に患者が入って待っている。その後医師が診察室に入る。なので部屋がめちゃ多い

・薬は結構気軽に出す。これはここのクリニックだけかもしれませんが、鼻スプレーとかかゆみ止めとか結構気軽に出します

・開業医にはエコー、採血、レントゲンなどなにもない。また身体所見もあまりとらない。採血、レントゲンとかは専用の場所が離れた場所にあり、そこでは町中のクリニックとかから採血の依頼があって一日中採血していたり、レントゲン取り続けていたりする。「異常があれば連絡します」というのが通例で、電話がなければ受診不要というパターンが多い。レントゲンに関しては明らかに折れていると技師さんが教えてくれてERにいくというシステムらしい。足いたいのに15分とか歩いてレントゲンにいって折れてたらまたERにいくってのは大変ですね。また紹介状とかもなくERに突撃していくようです。一回あったのが、痛いところと撮影範囲が少し違うかもしれないと患者さんが訴えたというパターン。日本だと、直接技師さんから医者に連絡がきて修正ができますが、こっちだと「一回クリニックに帰って再度診察をうけて、範囲の再決定をする」ということが必要になります。これはつらい。身体所見については、あまりとらないですね。というかほとんどとらないですね。まあ若いし症状がそこまででもない人が多いからかもしれないですが。

 

・専門医のハードルは高く、紹介まで3-6か月

基本的に直接に病院にいって専門医に診てもらうというのはできない(ERからを除く)のでかかりつけを各自がもっていて、かならずそこから紹介となるのですが、紹介まで半年というのはざらのようで、それまでただ待っているそうです。海外から来た人とかだと、カナダの国民保険がないと紹介受けないとかもあるらしく、かなり大変ですね。

 

・抗生剤の使い方はいろいろ面白い

まず血液培養は大きい病院でもほぼ取らない。

・UTIでセフトリアキソン2gで開始、その後シプロフロキサシンの内服に変更

一部抗菌薬に耐性があったようでしたが、そのパターンで広域にして内服で治療継続というのは僕はあまりやらないなーという気がしました

虫垂炎穿孔にセフトリアキソン2g+メトロニダゾール500㎎ ×2 

組み合わせ的にはありかなーという気がするんですが、メトロニダゾールって3回じゃなかったか、と思ったりしてました。

扁桃炎(膿瘍かも。オンライン診療ではっきりしない)というパターンはアモキシシリン単体

➡オンライン診療が増えており、喉痛いとかも結構あるんですが、難しいですね。ウイルスらしいのが多いんですが、経過から扁桃周囲膿瘍とかの可能性もありそうかなーってパターンも結構アモキシシリン単体で行くことがあり、実際のところオンラインでははっきり見えないので切開の必要な感じか見えないので怖いというのと、アモキシシリン単体だと嫌気性カバーが弱いので大丈夫かいなとつい思ってしまいます。

・COVID後、細菌性肺炎疑いにDOXY

私はあまりドキシサイクリンを使わないのですが、こちらでは結構気軽に使いますね。確かに好みの問題なのかもしれません

 

・眼瞼の蜂窩織炎?的なのにST + アモキシシリンクラブラン酸

まじか!こっちはえぐいたたき方するな!というのが感想でした。

 

抗菌薬の使い方については少し話をしてみたのですが、先生もお忙しそうでなかなか十分に話ができませんでした…

 

・痛み止めでのオキシコンチンモルヒネのハードルは低い

クリニックは入院はもちろんないんですが、入院時の痛み止め、first choiceがモルヒネとか普通だそうです。すごい。

 

こちらの医師は時間できっちり帰るようです。おお素晴らしい。

 

なにがいいかはわかんないですが、非常に違いが多いですね。