なぜ医者が語学留学なのか

なぜ医者が語学留学に興味をもったかということですが、実は(たぶん)「医者はあまり英語を得意と感じていない人が多い」と思うからです。センター試験などのテストの点数はみな基本的にいいので「先生はみな英語ができるんでしょ、さあアメリカの人来るから話して」と現場でもよく言われます。しかし、「論文を読む」ことはできても、いざ話すとなるとなかなかうまくいかないと感じる医師が多いと思います。医学部受験の英語は大学にもよりますが結構難しいです。その英語を乗り越えるため多くの医師が昔、たくさん英語を勉強したと思います。しかしこれまでから指摘されているように日本の英語教育は「話す」ことに対する重みづけがあまりなく、「点数はいいけど話せない」という人ができてしまいます。医者はその典型(もちろんそうでない人もたくさんいます)だと思います。自分もそうです。

 では学生時代に留学すればいいではないか。と思うかもしれません。しかし、そんなに簡単ではないのです。中学生までで家庭の事情等で海外移住などを行い英語に触れる機会が多かった人は英語がやはりできる印象ですが、中学生までで自分で留学に行くことを決めるというのはなかなか簡単ではなく家庭の事情に依存するところがあります。では高校以降はどうかというと、医者を目指す人の多くは高校生になると進学校に行き、人によっては塾も掛け持ちなんてことになり、留学なんて言っている場合ではなくなります。ようやく入った大学ではどうか。これまた難しく、医学部は100人前後で6年間、授業も選択の幅が少なくほとんど固定です。それゆえ同学年でのつながりが強く、なんとなく1年留年して海外に行って一つ学年下の環境になじめるのか?という疑問が浮かび行きづらくなります。私の場合は奨学金等の縛りもあり、容易ではありませんでした。さてでは医者になってからはどうでしょう。研修医?それは留学どころではありません。それが終わると志望科に行きますが多くは医局人事になっており、自由に留学なんて簡単ではありません。

 そういう背景から医者は話す英語に接する機会が少ないままなのです。でもたぶん「勉強」としての英語はそれなりにできたはず、「勉強」をするセンスはほかの人よりも少しは高い可能性がある。じゃあ医者は語学留学をするととても伸びるのか?はたまたはやり話すのは苦手なままなのか。自分で実験してやろう。というのが今回の留学の目的です。もう少し前から計画していたのですが、30代になってしまいました。こんな中で行かせていただく留学です。本気で、全身全霊で英語にぶち当たっていきたいと思います。

 

 まだ日本におります。渡航したら日本語と英語で書いていこうと思います。今後は計画の話、お金の話、勉強してきたことの話など書いていきたいと思います。