感染対策

コロナ2類、5類の議論はかなり盛り上がってますが、5類のインフルエンザでも、病棟ででたらプチパニックになって、場合によっては検査、手術延期とかありましたし、病院ってやっぱり感染には非常に注意して管理しているわけですよ。

どの分野でもたぶんそうですが、おかみと現場では感覚がかなりずれてしまいますね。

SNSとかでもわかりやすく現状をまとめてくださっている先生方がいらっしゃいますが、それに対して感染者数は日本が一番多い!とかって反論している方々もいらっしゃり、悲しくなります。人は見たいものしかみないんだなと。もちろん私も注意が必要ですが。日本の感染者数が多いのはちゃんと数字とっているからですね。ほかの国はわかんないですが、私の行っていたカナダでは、熱出たら勝手に抗原検査して、陽性やったら5日休む(って言ってた。5日でいいんかな?)みたいな感じになりつつあって、ちゃんとした感染者数があがっていないのが現状のようです。そのあたりはみないようにすればみえないのかもしれませんね。

コロナはただの風邪だっていう人もたくさんいます。まあワクチン打っておけば症状は普通の風邪に近い部分は多いとは思います。ただ、それでも風邪で済まされない部分は多いわけで。風邪だと思うのは構わないのですが、やはりそれを後先考えず声高に言ってしまうのはやや危険な気がします。風邪と同じにすると、おそらく患者導線はコロナ患者と通常の患者で同じになり、今の感染力を考えるとFNとかできた患者がERでコロナ感染なんて笑えないパターンも出るでしょう。医療は元気な人よりも病気の人のためにあるのですが、世の中元気な人のほうが圧倒的に多いので、民主主義的にはそちらの意見が目立ってしまいます。ただ、声の大きい意見が通るというのは時に非常に危険だと思います。5類、もしくはそれ以下にすると、医療者側は一気に手を引くでしょう。ただでさえ限界に近い医療体制でやっているので、しなくていいとなったら一瞬だと思います。ただ、それで起こるデメリットは5類を叫ぶ多くの人には見えていないように思います。5類にいったら多分2類には戻ってきません。5類をさけぶ人たち、コロナは風邪だと叫ぶ人たち、ワクチン、マスクは不要と叫ぶ人たちには「本当にそう思っているのか」もしくは「ただ今の閉塞した自由の利かない生活が不満で解消したいだけか」自問自答してほしいものです。

5類にしても意外に何も起きないかもしれないし、なにか起きても徐々に慣れるのかもしれない。でも、急な変化はやはり犠牲を伴うことが多いので、注意が必要です。